スタンフォード大学の研究チームは、ヒトの血漿タンパク質を分析したところ、老化は一定のペースで継続的に進行するのではなく、34歳、60歳、78歳の3つの時期に急激に進行することがわかった、と2019年12月に論文で発表した。
研究チームは、3,500人以上のヒトの血液サンプルを分析し、200種類以上のタンパク質の量を測定した。その結果、34歳、60歳、78歳の3つの時期に、タンパク質の量や種類に急激な変化がみられた。
34歳の時期には、老化の進行を促すタンパク質の量が急激に増加した。60歳の時期には、老化の進行を遅らせるタンパク質の量が急激に減少した。78歳の時期には、両方のタンパク質の量が急激に減少した。
研究チームは、この3つの時期を「老化の急速な進行期」と呼んでいる。この時期には、ヒトの身体や精神に大きな変化が起こると考えられる。
具体的には、34歳の時期には、肌の老化や骨粗しょう症などのリスクが高まる。60歳の時期には、心臓病や脳卒中などのリスクが高まる。78歳の時期には、認知症や老衰などのリスクが高まる。
この研究結果は、ヒトの老化の理解に新たな知見を与えるものであり、老化の予防や治療に役立つ可能性がある。
なお、この研究結果は、ヒトの血液サンプルを分析したものであり、必ずしもすべての人に当てはまるものではないことに注意が必要である。